ブルームバーグNEF(BNEF)アナリストのデータによると、2022年上半期には世界の再生可能エネルギー投資のうち、中国が53%を占めたということをTorres氏は加えて説明します。「上海深センCSI300指数構成銘柄のうち、再生可能エネルギーセクターに属する企業は昨年7社だったのに対し、現在は15社を占めることからもこの影響がうかがえます」と同氏は述べます。
気候変動が現実であることを示す証拠はある一方で、世界各国のESG投資家はそれに対処する高品質なデータが不足していることに悩まされています。例えば、各企業の温室効果ガス排出量から、異常気象による物理的リスクから受ける影響、グリーンエネルギー生産を支援する政府の制度といった移行リスクから受ける影響、クリーンテクノロジー分野のイノベーションから受ける影響に至るまで、あらゆる情報が十分ではありません。
「ブルームバーグでは、『測定できないものは管理できない』と言われています」とTorres氏は説明します。
ブルームバーグ・インテリジェンスの試算では、ESG運用資産残高は2025年までには世界で50兆ドルにまで成長する見通しです。背景には、特にパリ協定が2030年までに世界の排出量を半減し、今世紀末までには地球温暖化を1.5℃に抑制することを目標に掲げる中、各企業が海面上昇、熱波、干ばつなど気候変動に関連する深刻な影響に適応する方法、あるいは政府の規制を満たすために生産をシフトしてリスクを軽減する方法を模索しているということがあります。