2021年3月5日に、英金融行為規制機構(FCA)が35あるすべてのLIBORについて、公表停止・指標性喪失の日付を公表したことで、市場参加者は代替指標移行計画を実施に移すことができるようになりました。
LIBOR移行については、規制当局や政府、投資家、銀行が長い時間を掛け、高い透明性を保ちながら膨大な量の調整を幅広く行ってきました。その結果、新たに使用されるリスクフリーレート(RFR)の仕組みや、LIBORを参照する既存契約(レガシー契約と呼ばれます)に適用されるフォールバック条項についても細かい調整が進んできました。しかし、LIBOR廃止まで1年を切った現在においても、移行に関する実務には、特にレガシー契約の取り扱いをめぐって数多くの課題が残っています。このため、国・地域や商品によって異なるアプローチが採用されています。
FCAおよび各国・地域の規制当局は、各規制当局が設置したワーキンググループにより設定された工程表に従って、企業がLIBORからの移行を積極的に進めるよう求める姿勢を明確にしています。