Lepinay氏はまた、金利キャップやフロアー、スワップションについても、バリュエーションの大きな変化が課題と指摘、「おそらく、これらの契約は自動的に移行するだろうと考えて放置するべきではなく、もっと前向きなアプローチが必要かもしれない」と述べました。
同氏はまた、移行においてさらに難しい課題としてベーシスリスクを指摘しました。
ベーシスリスクとは、現物商品(ローンなど)と、その市場リスクをヘッジするために使われるデリバティ商品との間でミスマッチが生じるリスクのことです。
Lepinay 氏は、「既に利用可能な、単純なソリューションの1つは、例えば米連邦準備制度理事会(FRB)がSOFRで利用可能にしているようなタイプの指標を使うことだ」と述べています。その指標とは、過去30日、90日、180日(暦日ベース)の複利平均SOFRのことです(SOFR平均)。
同氏は、ローンとスワップ双方にこの指標を使えば、ベーシスリスクを最小限にできるとし、「時間は刻一刻と過ぎていく。重要なのは前向きに取り組むことだ。前向きに取り組めば、ネガティブサプライズのリスクを抑えられる。様々な種類の取引、決済、異なるシステム間における接続性の問題などを検討する中で、今でも毎日のように、新たな発見がある。自らの手を動かし、本腰を入れて移行準備に取り組むことが非常に重要」と述べました。