最も使用されているドル建てLIBORテナー(特に3カ月物)の移行の遅れは市場の懸念に配慮したものですが、規制当局は2021年以降、新規契約にドル建てLIBORは使わないように断固として指示しています。FCAでは、スケジュール通りに移行手続きを進めるよう、監督が強化されるだろうと企業に警告しました。
FRBは銀行によるLIBORからの脱依存に向けた取り組みに対する監視を強化し、進捗状況に関するより詳細な証拠を集め始めています。
FRBの副議長(銀行監督担当)で金融安定理事会(FSB)議長も務める Randal Quarles氏は「今後数カ月、企業が残りの移行リスクを管理しているかどうかに規制当局は目を光らせるだろう」としています。
昨年12月にLIBOR廃止日発表時期に関する憶測が生じた際はユーロドル市場に激震が走ったものの、今回の市場の反応は静かなもので、ユーロドル先物の23年6月限と23年9月限のスプレッドも2021年12月限と2022年3月限の英ポンド短期物スプレッドも、1ベーシスポイントの拡大にとどまりました。
FCAはまた、代替金利に切り替えることのできない、最も問題の多いローンや証券化商品にどのように対処するかについての提案の詳細も発表しました。規制当局は、英ポンドと円の指標のため、パネル銀行の呈示に依存しないシンセティックLIBORを協議しており、そうした権限を一部のドルLIBOR構築に使うことを引き続き考慮しています。