フランス、ベルギー、英国、カナダ、チリ、デンマーク、アイルランド、香港、日本、ニュージーランド、スウェーデン、スイスなどを含む世界各国の110を超える規制当局や政府機関もTCFDに賛同しています。さらに75カ国の中央銀行と世界中の監督機関が、NGFS(気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク)を通して、債券や株式を発行する企業に対し、TCFD提言に沿って情報開示するよう奨励しています。
TCFDが気候関連報告に関する基本的なフレームワークとして認識されて各国がTCFDに準拠した情報開示を義務付けるようになるにつれ、TCFDの利点の理解を深めるためにこのガイドが役に立つことでしょう。本書ではTCFD提言の概要を説明する一方で、気候関連情報の高まる需要に規制当局と業界リーダーがどう対処しているか、その例も示しています。
「気候変動の影響は悪化し続けており、世界経済と人々の生活に深刻な影響を及ぼしていることは明らかです。同時に、世界中が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の経済的打撃から立ち直ろうとする中で、よりサステナブルでレジリエントな将来に向けて土台を築くための特別な機会が生じていることも確かです。従って、タスクフォースの役割は今まで以上に重要性を増し、緊急性も高まることでしょう」
マイケル・R・ブルームバーグ、TCFD議長、ブルームバーグ・エル・ピーおよびブルームバーグ・フィランソロピーズ設立者、2020年10月